12/3 20:00 自宅
これから夜行バスでディズニーに行くらしい。3週間前だかに取ったチケットが明日に控えていたのと、さらに夜行バスもいつの間にか取っていた。
ノリと勢い。全てが他人事。昔の俺がやったこと。
今年も12月になっているし、時間の経過が早い。「おおん、もうこんな季節か」となっていることが多い。
仕事を終え自宅に戻り、夜行バス前に街に酒を求めに行こうとしたのだが家事やらグダグダしていたら23時近くになっていた。
急いで家を出る。空気がひんやりとしていた。
自分の席に深く座り爆睡をかました。
4日 7:30 TDS
現地に着いたら当たり前だけど着いた実感が湧き、歩く鼓動に合わせて陽気な音楽が耳を通過する。バスを降りた時の不健康感といつも通りの日差しに自然とワクワクしていた。
しかし、まぁここで予め分かっていた現実に直面する。
チケットは入園指定。つまり10:30から。
朝一で着くも3時間ぐらい時間を潰さないといけない現実。
過去の自分のなんとかなる精神に相槌を打ち、徒歩3kmほどにある葛西臨海公園に向かう。
街が徐々に起きていく。
着いた時には少し汗をかいていた。上着を脱いでベンチに腰掛けた時に思う。
「なんで俺ディズニー前にこんな歩いてるんだ…」
疲労と風景のコスパがイマイチ悪く不発に終わった気がする。しかし、富士山を見れたことに感動と関東にいることを実感し朝日を見ながらコーヒーを飲んで電車に乗った。
9:15 舞浜駅
「うぃーす」
1週間前に会ったばかりなんじゃないかと言うくらい自然にダチと合流した。
仕事中にふと見たディズニーサイトでチケットの空きがあることを知った俺はダチに連絡。
「ーーー俺に夢を見させてくれ」
速攻返信が来て2枚分買った。
「まだ時間あるよなぁ」
コイツもコイツで入場1時間以上前に来るあたりほんと地元だと思う。
どうすると話し合った着地地点は
「夢だし酒飲むかぁ」
朝っぱらから路上飲酒。1分ほどで決まった。舞浜駅前で座り込み(ダチは胡座でいた)軽快にプルタブを開けた。
「うんまぁぁあ」
底辺感。目の前を何人もの人が通り過ぎていく。
「朝から夢の国前に路上飲酒。」
これ以上にいい響きがあるだろうか。
「2階から目薬」ということわざに似たような何かを感じる。
結局2本も缶ビールを決めてしまった。
10:30 TDS
ディズニーの入場したときのワクワク感ってなんなんだろうな。これから何かが始まる気がしてならなかった。
ドラゴンボールの悟空が戦闘前にワクワクする気分ってきっとこんな感じ。
一番最初はインディージョーンズに乗った。
並ぶ時間・アトラクションの時間・面白さと世界観から考慮してインディーのコスパは一番いいと思う。
「私はパコでぇぇぇぇええええす!!!」
サンシャイン池崎を彷彿とさせる冒険家パコを幼少期から何度見たのだろう。
やっぱりディズニーはワクワクする。
なかなかチケットが取れないだけあって、一番並ぶとされるアトラクションでさえ40〜50分待ちだった。
アトラクションに乗ると同時に体に酒を入れていく。まだ夢は始まったばかりさ。
タートルトークではお決まりのセリフ
「ウォォオオオオ!!!」がコロナのため言えずみんな手を上げるだけだった。
なんとなく場が盛り上がらずコールアンドレスポンスの重要性を学んだ。
次第に暗くなりディズニーの2面性が顕著に現れ始める。軽快な音楽と幻想的な風景はここが現実であることを惑わせるようだ。
こんな雰囲気のなかで告白でもすればNGを出す人なんていないんじゃないかとさえ思えてくる。ってもディズニーに男女で行ってる時点でなかなか親密なのだが。
俺らは男2人で来た。「えぇー!?」だとか「男2人で行って何が楽しいの?」だとかそういうレスポンスがあるけど「アンタには仲良い奴がおらんのか…?」と思う。ダチといる尊さを成人式ぐらいに戻って学んできてください。成人式にも同窓会にも卒業式にも出てないけど。
アトラクションを待つ列にめちゃくちゃ偶然にも違うグループで来ていた地元の奴に会った。
そいつとも昔はよく遊んでいたりしていたのだが、いつしか疎遠になってしまっていた。まぁ俺が行方をくらますように消えたのもあるのだが、別にそれに関わらず大学の連中にも就職先を話すことなくフェードアウトして4月から東北にいる。
詮索されるのが嫌いなので時期が来たらふらっと消えている。めんどくさいし。
花火が上がり、終わりが近づいていることを否応なしに理解させられる。
「最後センターオブジアース行かね?www」
(えぇ…これから……?)というのが正直な感想だった。しかし行って正解だった。
最後急上昇してフワッとした時に見たディズニーの景色はしばらく忘れないと思う。
その後は宿に行くため浦安駅まで歩いた。
分かる人は分かると思うけど、ディズニー付近の駅は直進するには少し遠いが楽に行くには乗り換えによる大回りをしないと行けないという地味なアクセスの悪さがある。
歩くことに抵抗はないので、歩きで行くことを提案された時は軽いノリで了承したが(2〜3kmだと思っていた)実際は5kmぐらいだった。足が死んだ。
宿に入って爆睡を決めた。
2日目 8:00 起床
「やべぇ、俺ら爆睡してたな…」
泥のような肉体も一晩寝たら回復していた。
昨日の夜は何も食べずに寝てしまったので朝飯を求めに店へ。24時間やっている中華系の居酒屋に行った。
「乾杯ーーー!」
朝一番のビール。この土日だけはどうかだらしなく生きても許してほしい。
一品一品の量が意外にも多くてがっつり食べるかたちになってしまった。3杯ビールを飲んだ。
11:30 浅草
「ここが浅草やで!!!」
浅草には3〜4回来たことがある。ちなみに浅草寺のおみくじは凶の出る確率の方が高いらしいのと、浅草寺の裏側には世界一渋い?苦い?抹茶ジェラートが存在する。
一通り見終えてスカイツリーに向かって歩き出す。
空がめちゃくちゃ綺麗で散歩日和だった。
昨日はディズニーにいたのだが、時間というものは1日で意味を変えてしまう。
14:30 東京スカイツリー
スカイツリーでは適当に見て回った。
シンボルとしてのスカイツリーは好きなのだが、案外着いてしまうとどこにでもありそうな店が立ち並んでいるだけで即座にスルーしてしまう。
人も多かったし暖房の暑さを純粋に感じていた。だけど下から見上げるスカイツリーは空が綺麗で来てよかったと思う。
浅草からのスカイツリーは定番。
昼過ぎに浅草でぶらぶらしてスカイツリーで買い物や水族館。最後は夜景を見に上まで登る。ぜひデートの参考にしてほしい。
16:30 月島
月島には年単位で行っていた。というのも自分の大学のキャンパス(普段とは別)が近くにあり、学祭の時に夕飯や風呂を求めに来ていたのだ。
これでも副部長だったので大学に泊まり込んで知る人ぞ知る月島温泉に特に行っていた。
温泉に入り、もんじゃの店を探す。
もんじゃは普通だった。もんじゃとかたこ焼き、お好み焼きは結局味はオマケで作る過程が面白かったりする。
そのあとは普通の居酒屋。こっちがメインだと瓶ビールを開けた瞬間に思う。
何を話したのかはあまり覚えていない。ただビールを飲んでいた気がする。というか大体人との話なんてあんま覚えてないし。つまんない人のつまんない話は覚えてるからまぁそういうことなんだろう。
21:00 東京駅
適当に別れ、翌日仕事があるからもう少し早い電車に乗りたかったのに結局終電近くの新幹線に乗ることになった。
この前埼玉に行ったときの新幹線は死んでいたのに、今回は不思議と元気だった。人は学ぶ生物だ。
BGMはハンブレッダーズの再生
おしまい。