2021 03/9-11 沖縄一人旅 前編

「――沖縄は修学旅行で行ったな」

こう答える人が多いだろう。自分もそうだった。しかし、今回の一人旅を通じてある答えにたどり着く。

 

「修学旅行で行く沖縄は沖縄であって沖縄ではない――」

 

 

今まで色々なところに行ってきたが沖縄は別格だった。

エメラルドグリーンの海沿いを車で走る疾走感やテラスで飲むオリオンビール。暖かい気候にめずらしい植物。石を基調とした家の造りや街並み。多彩な自然風景。海に沈む夕焼け。

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なんとなくのノリで沖縄に決めたが大正解。忘れられない思い出になった。

 

最初に大まかな旅費を提示しておく。

交通費 28500円  

18000円(飛行機)+7800(レンタカー)2700(ガソリン)

宿 9700円  5500円+4200

交通費と宿で38200という結果になった。

 

 

今回の全体のルートはこれ。

1日目に那覇空港から一番上まで行き、美ら海水族館近辺を散策。

徐々に下がりつつ2日目は西海岸や中部。

3日目に南部や首里那覇といった流れ。

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荷物はこれ。

充電器などの周辺道具と日用品。着替えはインナー3着だけ持っていった。

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前日の夕方

ぼんやりスマホをポチポチしていると、ある重要なことに気付く。

 

「あれ、明日始発で向かっても空港間に合わんやん草w

羽田空港6:30に出発し那覇空港9:30に到着する便だった。急遽空港付近に前泊が確定する。若干のだるさを感じながら、のそのそと支度をし家を出発する。

 

 

21:00 漫画喫茶

いつも通り漫喫に前泊することにした。ワンピースとアオアシReLIFEを読む。

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特にReLIFEは最終巻まで読み終わり、旅行前日にして謎の充実感を得ていた。

無性に青春がしたくなり、また純粋で眩しい結末に胸が痛くなった。

 

「ワンカップうんめぇぇぇええ!!!」

缶ビールと298円のつまみが無造作に転がるような未来を誰が予想していただろうか?

広いと思っていた小学校のグラウンドはもう狭くなっていて、誰かと約束した「いつか」は二度と来ることはなかった。

好きな子と廊下ですれ違う緊張を感じることも部活のかけ声がこだまする体育館ももうない。ドリンクバーで2~3時間騒げるようなあの永遠も。

 

せめて将来結婚する嫁さんだけは、シロツメクサで作った花冠で喜んでくれるような女性であってほしい。そのために花冠を作れるような男になりたい。

目覚ましをセットし24時過ぎに寝た。

 

 

1日目

4:20 漫画喫茶

起床。あまり寝ていないが一通り支度を済ませ出る。雨が降っていた。

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雨にちなんでCryamyの「雨」を聴く。

誰もいない商店街とアーケードを抜ける。

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SayGoodbye 眠れば起きない このまま落ちるとこまで行こうぜ

 精一杯 生きた結果 こんな仕打ちで笑っちまうよな」

この部分の歌詞が自身と世間に皮肉と煽りを入れているようでたまらなく好きだ。

 

 

スッーっと深夜の風が街を抜け、一人歩く。

沖縄を先取りした服装はやはり寒い。

松屋がぽつんと光り店員は暇そうに突っ立っていた。

駅に近付くにつれてキャリーケースをガラガラと引きずった人たちが増えていく。

京急蒲田駅の始発は5:19発。電車に乗り込む。

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5:30 羽田空港

早朝だからだろうか、照明はまばらに付いていてやや薄暗かった。手続きを済ませ搭乗口へ。

搭乗口前でもう一度今日行く場所の確認を済ませる。外は徐々に明るくなりフライト。爆睡。

 

 

9:30 那覇空港

(いよいよ来た・・・!)

出口までの道を長く感じた。現地の人の服装は半袖であり実感がジワジワと沸く。

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ロビーでは魚が泳いでいた。

空港からレンタカー屋まで送迎バスで送ってもらう。

 

 

「本日はご利用ありがとうございます。まずは免許証のご提示を……」

(いやキューティクルおにゃんこwww

レンタカーの人は顔採用なのかっていうくらい顔の整った人が多い気がする。

 

(職場変えたろうかな・・・)と思いつつ案内される。

愛車はスタンダードにヴィッツ

今回は3日間借りるのにも関わらず保険も全部込みで7800円という破格だった。走行距離10万キロ越えにも関わらずアクセルとブレーキは至って普通。しかしやはりBluetoothが搭載されていないことやバックモニターがないこと、エンジンを鍵で回すこと、極めつけはドアをピッっと開けるのではなく鍵を差して開けるという仕様だった。

 

一日目のルート。

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まず最初に古宇利島に向かう。走ると分かった。「やべぇ、沖縄暑いわ!!!」

確か車の温度計は26℃を示していた。適当に車を停めて着替える。

半袖に七分シャツ。夏を先取りする。

 

 

郊外に出て、海沿いの国道を走る。

運転中窓から覗く海は今まで見た海とは異なり、アクエリやポカリのラベルのような爽やかさだった。窓から入り込む風に身を任せてアクセルをベタ踏みする。最高の気分だった。

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古宇利島に渡る古宇利大橋はこんな感じだった。(見にくいけど)

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古宇利大橋は1960mにも及ぶ離島架橋であり、橋の両サイドには一面エメラルドグリーン色した海が広がっている。自然と車のスピードが上がった。

 

 

12:30 古宇利島

ドクンドクンと心臓が高鳴りつつ砂浜に向かう。

 

唖然。「マジか……思わず声が零れる。

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めちゃくちゃきれいだった。

よくある語彙力(笑)みたいなふざけた感じではなく、思う言葉や知ってる言葉では当てはめることができないほどに言葉を失ってしまった。まっぷるには沖縄の海は「ため息の出るほどの美しさ」と表現されていたがすごく的を射ていると思う。

 

 

しばらく立ち尽くし歩いた。何を思うわけも考えるわけでもなく無心で海を眺めていた。

 

「ああ、ここにいたいなあずっと、、、振り返って戻りたいなぁ、、、」

例の如く俺のなかの炭治郎が囁いたが、今日が一番ハードスケジュールのため先を急いだ。

 

 

13:20 橋の駅リカリカワルミ

昼飯を食べるため、道中の橋の駅リカリカワルミに寄る。ここは先ほどの島と島を結ぶ橋の近くに位置する。

 

まずは展望台から景色を一望。遠くには先ほど行った古宇利大橋が見えた。

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展望台や初めて行く場所で思うのだが、自分の見ている景色やいる場所が地図でいうどの部分にあたるのか調べるのは結構楽しい。

横浜の大さん橋から実はスカイツリーが見えたり、海を挟んでウェーブ状になっている地形(神奈川とか静岡とか)では遠目に半島が見えたり地図は正確だ。伊能忠敬はすげぇ、リスペクト。

 

景色を楽しんだあとはレストランへ。

ソーキそばを頼んだ。

15人ほど入れそうな店内には、自分一人しかおらずファーストフードのように提供スピードが早かった。

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美味かった。完食。

 

 

13:50 今帰仁城

沖縄にはかつて約450年続いた琉球王国(1429年~1879)という歴史があり、2000年に首里城跡をはじめとする9ヶ所が「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されている。今帰仁城跡はそのなかの一つである。

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入口から堂々たる風貌であることがうかがえた。さらに奥に進み頂上に上がる。

 

 

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「将軍の見る景色です。」俺のなかの王騎将軍が囁く。

 

 

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沖縄は海のイメージが強いが、緑も生い茂っており石で積み上げられた城壁と城全体のスケールの大きさに雄大さを感じた。これだけの形が残っていることは、確かに世界遺産にもなると頷ける。

 

帰りの売店で沖縄らしくパッションフルーツのジュースを頼んだ。

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とてつもないパッション感じた。

 

 

 

14:50 美ら海水族館と備瀬のフクギ並木

余韻に浸りながら車を走らせ、美ら海水族館のある国営沖縄記念公園(海洋博公園)に着く。

実は美ら海水族館は約71haの大きな公園のなかに存在し、他にはおきなわ郷土村や熱帯ドリームセンターがある。

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(修学旅行で来たな・・・)

黒歴史を思い出しながら、まずは近くの備瀬のフクギ並木に向かう。

今では日の当たらないような所でひっそり一人で楽しんでいるような人間なのだが、昔は前に出て騒いだり中心になるようなことが多かった。黒歴史がありつつも青さとパッション性はここ数年で良くも悪くも失ってしまった。

「オレ...この青さは失くさない」と言い放ったティーダは真の主人公だと思う。

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向かう途中にエメラルドビーチを通る。f:id:southnorthkun:20210316151919j:image
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やはりすごい。真っ白い砂浜に透き通った海。空は雲が少しあるものの青く広大に広がっていた。海が砂浜から沖に広がるようにグラデーションされ、そんな砂浜を一人歩くだけで自然と絵になるような場所だった。周りに人はおらず貸し切り状態。

 

 

 

(海の相乗効果で俺もイケメンになるのでは・・・?)

さっそく携帯をスタンバイし動画を取る。

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ありがとう世界。

 

 

 

備瀬のフクギ並木は、フクギ(福を呼ぶ木)という常緑高木が立ち並ぶ道のことである。木々から差し込む木漏れ日のなか、沖縄の伝統的な景観を見ながら散策することが出来る。

 

入口付近にレンタサイクルがあったため自転車を借りる。おっちゃんにお金を渡すと「どれでも好きなもん乗っていき」と無作為に置かれたチャリンコを指さされる。

 

久しぶりの自転車はすごく懐かしかった。時おり人とすれ違う程度の混雑のなかペダルを漕ぎ木々と風を抜ける。サーっと風で葉が揺れ、鳥の鳴き声が聞こえる。じんわりとした7月の夕暮れのような少しセンチメンタルになる気温と雰囲気だった。

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景色がダイレクトに体に伝わり、体全体で空間を感じる。すごく自由でなんとなくぼくなつを思い出す。ぼくなつやったことないけど。

 

一番奥にある備瀬崎に着き、自転車を止め休憩する。

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汗がほのかに滴り服をパタパタとさせる。

日は少し傾いていた。前述したように3月の沖縄はもう半袖で過ごせるほどに暑い。

しかしこのむわっとした暑さを風が取り払い快適さを覚えていた。

 

道を戻り、自転車を返す。自販機は見たことのない商品が多く驚いた。

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時々見かける松ぼっくりみたいな植物はアダン?という名前らしい。(強い松ぼっくりと勝手に呼んでいた)

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そして美ら海水族館に入る。水族館に関して特に深い感想はなく、ただ単に楽しかった。

自分の推し魚であるのはこの2匹。

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ナンヨウハギとホンソメワケベラである。

この日ナンヨウハギが危険生物だという事実を初めて知りショックを受ける。ホンソメワケベラは他の魚の体表に付いたゴミなどを食べるのだが、それにより他生物と共生関係を結んでいる姑息さが好き。

 

また今回のMVPはこの魚。

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目がコラのようにリアルで、一人クスクス笑ってしまった。

 

俺には女の子と水族館に行くと別れたり、次がなくなるというジンクスがある。

友人曰く「釣ったことがあると言うのは、この魚美味しそうっていうのと同じ」らしい。

昔から釣りをしてきたので「これ良く釣れんだよなぁ…」と多々こぼすことはあるが、未だに何が原因かは分からない。

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最後にジンベイザメとマンタが見える大水槽。前日ワンピースで魚人島編を読んだばっかりなので(ジンベイや...魚人空手や.......)とか思っていた。

 

一通り見終わり宿に向かう。

 

 

 

18:00 宿着

宿はコテージ風のところだった。わりと最近できたらしい。

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「めちゃくちゃきれいで草ww」

1人で泊まるより2人の方が安いという、ぼっち迫害システムを喰らったがそれでも手頃で満足だった。

 

 

近くにビーチがあったので散策し、コンビニで夕食を買う。 f:id:southnorthkun:20210316152936j:image
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ここで今までの根底を覆す考えが生まれる。

 

(あれ、コンビニ飯なんか不味くね……?

初めての感覚。よく旅行先の食事はコンビニで済ませていると周りに話すと「ありえない」と言われていたが確かにありえない。ありえなかったのだ自分は。

 

幸楽苑のラーメンが一番美味しいと思っていたが、付き合いがら家系やまぜそばなどを経験し、初心に戻ってくると(ん…?こんなんだったっけ)ということもあった。

 

急に味細胞が増える現象ってなんなんだろうな。弘道お兄さんTVで踊ってたちゃんと食べよう体操も覚えようと思った。

ちなみに朝食もここ10年くらいは食べていないのでこれからはちゃんと食べよ…

 

就寝。後半に続く…

2021 03/9-11 沖縄一人旅 後編 - 気ままな旅行記