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2021 03/9-11 沖縄一人旅 前編 - 気ままな旅行記
2日目
8:00 宿
起床。爆睡。なんだかんだ漫喫での仮眠ぐらいしか寝ておらず、21時には寝ていた。
一通り用意を済ませチェックアウト。天気も良かった。
9:15 万座毛
名前は聞いたことがあったが万座毛は初めて来た。
万座毛は「万人を座するに足る毛」と琉球国王の尚敬王が称賛し18世紀前半に名付けられたらしく、毛は方言で草原という意味らしい。ちなみに座するは座る。
入場料を払い、遊歩道を歩く。
風が強く前髪がパッサーンなっていた。
ちなみにここにもアダンが生えていた。
ほんの2〜3分歩くと万座毛が出現。
「やべぇ、万座。こっわっっ!」
万座毛は琉球石灰岩からなる標高20mの絶壁であり、加えて波が荒々しくザブンザブンしていた。
ワンポイントの景色って正直何分いるのが正解なんだろうな。他の観光客は「すごーい!」写真パシャの30秒で終わっていた。
事実自分自身も本当は「おおん、万座!……で?」みたいに思考自体は5秒で終わっていたと思う。結局5分くらいはいたんだけども。
施設で土産を少し買って、次の目的地に向かった。
10:30 真栄田岬
真栄田岬はダイビングやシュノーケルのスポットであり、特に青の洞窟で知られている。
この日もツアーなのか団体客がたくさんいた。
団体客をよそに遊歩道を抜ける。
風は強いものの天気はすこぶるいい。
しばらく歩き、一望出来るところに出る。
海岸が広がっておりきれいだった。
遊歩道は終わったものの、さらに奥にも行けたため道を外れ散策。真栄田岬は釣りスポットでもあり険しいところで磯釣りをしている人もいた。道なき道を行く。
「いやトゲトゲダンスニードルww」
海もきれいだったのだが、ここら辺一体の地形もかなりすごかった。侵食具合が特殊であり岩がギザギザしていた。真栄田岬は万座毛と同じ琉球石灰岩で形成されているため、ここもそうであったのだろう。
戻る道中に生えている草がチョンチーみたいでテラかわゆすだった。
他にも展望台があり写真を撮る。
昨日の一件からちゃんと飯を食うことにしたので、駐車場付近にあった食堂で昼飯を食べる。
店内には自分しかおらず、さっと食べて出発した。
次に向かうのは4つの島が橋で結ばれ、連なっているような場所。
ここに行くのにまず海中道路という全長4.7kmの長い道路を渡る。昨日の古宇利島大橋のように左右は海。車を停めて散策。
今にも落ちて来そうな空だった。
海で地表も青いせいか雲が浮き出て見える。
まずは一番奥にある伊計島に行く。
島というとなんとなく大きく聞こえるが、ここの島々は車で5分もかからないうちに横断出来てしまう。ちなみに伊計島は周囲が7km。車通りも少なかった。
伊計島に着き、車を停める。
観光客への配慮なのか基本駐車場がどこも開放されているのが嬉しい。
伊計ビーチはまっぷるに大々的に特集されていたので楽しみだった。
(離島のビーチとか反則だろうなぁ…)と思いつつ向かうもなんと封鎖されていた。
後日調べてみると定休日?だったらしい。
さらに年中泳げるようなビーチらしく、今回のようにパッと見る分には入場料もかかり、イマイチ趣旨にそぐわなかったので逆に好都合だったのかもしれない。さすがに一人で海を泳ぐのは笑ってしまう。バナナボート一人とかね。
帰ろうと思い踵を返そうとするも、ふと小道を見つけ進む。
「冷静にバグ」
とんでもないところを見つけてしまった。
今までのビーチとは違い、砂浜がゆっくりと深くなっているため波も穏やかであり、沖に向かって少しずつ展開されていく感じが良い。
運転を再開するも興奮を抑えきれない。
興奮というより「今明らかにすごいものを見てる」感でいっぱいだった。
次に4島のなかでは一番大きい、周囲12kmの宮城島にある果報バンタへ。
最初に言っておくとここが今回の旅のベストショットだった。
バンタに向かう途中に三天御座という小さな鍾乳洞を見つける。沖縄の天、地、海の神がここに集まるらしい。冷静に考えて神3体がここに集結するのはヤバい。
企業のトップや組織、何かの中心に立つ人などに要となるご利益がもらえるらしく賽銭しておいた。多分自分一人に対してのご利益なら賽銭もしなかっただろう。他人が絡むとどうも弱くなってしまう。
階段を上り終えて、果報バンタを見下ろす。
写真で見てもここまでの青々しさがくっきり出ることに感動してしまった。
ブログを書くにあたり今回は特に言葉にして表すのが難しい。景色が今までより群を抜いて良いため、当てはめる言葉が見当たらず自分の知っている言葉のレパートリーのなさに若干へこんだ。
果報バンタは別名幸せの岬とも呼ばれている。周りは家族連れや夫婦、カップルが多く楽しそうにしていた。みんな幸せになってくれ。
最後の島は浜比嘉島。琉球開闢の神アマミキヨにまつわる史跡や赤レンガの民家などの集落が残っている。
シルミチューという場所に向かった。
ここは女神アマミチューと男神シルミチューの居住した洞窟と呼ばれている。沖縄は本当に歴史が深い。
車1台しか通れないような道を進んだので、人はおらず雰囲気もどこか異質であり周りは木々で覆われていた。木々が太陽光を遮っていたのもあるがどこか涼しく不気味でもあった。
洒落怖でよくある、封印されているものをひょんなことから開けてしまうような場所。予想検索にも「シルミチュー 怖い」と出ていた。
階段を上ったところには暗くどこまでも続いていそうな鍾乳洞があり、人が入らないように大きな柵で覆われていた。写真は不思議と取っていなかった。なんでだろうな。
沖縄は隙あらばビーチなのですぐ近くにビーチがあった。ビーチというより砂浜。
靴を脱ぎ一人海をじゃぶじゃぶした。
(島に生まれてたらどうしてたんだろうな)と思いながら岩の木陰に座り、足が乾くのを待った。
15:15 勝連城跡
ここは昨日の今帰仁城跡と同じく「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されている。
今帰仁城とは異なり周辺は栄えており、目の前には車が普通に走っているようなアンバランスさがあった。頂上までの階段が高く完璧な夏を感じていた。
天然ではないのだが、エレベーターに乗る訳でもないため天然の展望台という言葉がピッタリだった。
16:30 宿
宿は出来てから1年前後らしくめちゃくちゃきれいだった。
白を基調としていたため自分の黒さが一段と目立ち、部屋であるのにも関わらず落ち着かなかった。近くの美浜アメリカンビレッジに散策しに向かう。
エレベーターもカードキーで動く仕組みであり、閉じ込められたかと思う。
16:50 アメリカンビレッジ
ここは一言でいうとアメリカって感じだった。アメリカ行ったことないけど。
アメリカの西海岸がコンセプトらしくお店もめずらしいものが売っていたり、多くの店が立ち並んでいた。
外国の人が集まるスポットでもあり割合的に見ても半々か、6:4でギリ日本人の方が多いくらいだった。店員は日本人だけどあちこちで英語が飛び交っているようなそんな場所。
土産を買い、店を周りながらも「せんべろ」というフレーズに惹かれちょい飲みをすることにした。
「えっ、コスパめちゃくちゃいい。ビール2杯につまみが1皿だと......」
オリオンビールに軟骨と追加でソーセージを頼み優勝。テラス席には自分一人。時おり吹く風が頬をなで、酔いがまわっていく。我アルコール也。
コロナということもあり、外で飲むことがめっきり減ったので久しぶりの感覚だった。
(去年北海道行って今は沖縄にいるんだよな...)
日本であればもう2~3時間で行きたいところに行けるバグのような世界でしみじみ思う。
北海道編参照↓
2020 10/05-10 北海道一人旅① - 気ままな旅行記
2020 10/05-10 北海道一人旅② - 気ままな旅行記
2020 10/05-10 北海道一人旅③ - 気ままな旅行記
昔セックスマシーンというバンドのライブを偶然見たとき、ある曲が印象に残った。
「二人が反対向きにまっすぐ歩けば、またいつかきっと会える。だって地球は丸いのだから」MCから頭の良くなるラブソングが始まる。
この曲の特徴としてサビはなんと、ただ円周率をひたすら歌うというシンプルなものであること。加えて離れる距離に対して「せいぜい離れて2万km」と歌詞で表現していることだ(地球の外周は約4万km)。
相手を信じているからこそ、2万kmをせいぜいと言いきり、深いことを一周して浅くシンプルに歌っているカッコよさに惹かれた。
俺自身会いたい奴には多少無理をしても強引に会ってきたし、確かに会いたければ距離も金額も時間も関係ないとは思う。「忙しい」という言葉を盾にしたことはない。
しばらく会えない別れ際さえ「うぃーす」で済ます自身のドライさの裏腹には、それほど別れを意識せず普通にまた会えると思っている。
通学路で「んじゃ、また明日」と何気なく言うように、別に大げさなことではなくいつも通り。人との縁に#を付けるような区切りと改まりは最初からない。丁寧なプレゼントより安いワンカップをもらいたいもんだ。
「酒も食いもんも足りねぇよなァ!?」
店を出て、さらに他の店に入る。次の店ではパスタと泡盛というミスマッチ感はあったが平らげた。
宿に戻る。全体がライトアップされ、また雰囲気が変わっていた。
実は夕方、土産を見て回っていたときに海に沈んでいく夕日を収めることが出来た。
カップルでも家族でも外国の人でもそれぞれが同じようにカメラを構えて、夕日を撮っているのを見ると(まぁ、人間もたまには悪くないのかな)と少しだけ思う。少しだけ。
19:20 宿
圧倒的疲労。酔いもあったのでそのままベッドに倒れ込むように爆睡。
一度起き、大浴場だけサクッと行って明日の予定も確認せず寝た。
3日目
9:00 宿
起床。チェックアウトが11時までだったためのんびり寝ていた。
差し込む光と部屋がきれいなのでモーニングルーティンでも撮ってやろうと思ったが、0.1秒後に止める。誰に需要あんだあれ。
チェックアウト。今日が一番天気が良かった。
11:20 斎場御嶽
琉球創世の神、アマミキヨが国始めにつくったとされ沖縄の御嶽のなかで一番格式が高いとされている。御嶽は祭祀を行う場所らしい。
沖縄は歴史が深く結局ここはなんなのかと思うことが一層多い。
昨日のシルミチューと同じくパワースポットでもあり、ここは世界遺産にもなっているのだがパワーが強く「霊感の強い人は~~」といったようにわりとガチなところでもあったらしい。パンフレットにも「ここは聖地なので~」とルールの細分化が特にされており、観光という趣旨とは少し外れていたのかも知れない。
写真だけやんわりと載せておく。
ネットで霊感が強い人は写真を撮ると、オーブが移り込む場所であるともされていた。
ちょっと雰囲気が他の場所と異なるので割愛。
12:10 知念岬
次は斎場御嶽のすぐ近くに位置している知念岬へ。
天気が良かったため、海がきれいだった。
果報バンタでもそうだったが、遠くからみても海の色がくっきり違った。
12:30 昼飯
今回の旅で学んだが道の駅は安パイ。外れがない。
沖縄名物セットたるものを頼む。
奥に先ほどの海が見えるようなテラス席に座る。美味しかった。
海ブドウを初めて食べたのだがプチっとしたあとに、ゾゾゾと這ってくる後味に驚く。
2段構えの味。飛天御剣流。天翔龍閃を思い出す。
さりげゴーヤも初見だった。ゴーヤは名前のあとに味が出来たと思う。よくある人の顔からその名前がピンポイントでしっくり来るような。あと(野球部の人の頭の味ってこんな感じなんだろうな…)という感想を抱いた。
そのまま道の駅内の土産を見る。ここは南城市という市であったため商品名が「なんじょう○○」みたいなものが多く(人の名前勝手に使わんでくれるかな…)と思っていた。
南城市のゆるキャラはなんじぃと呼ばれるジジイだった。どっちが本物かいつかカタをつけたい。
13:50 首里城
市内に入ってきたため、人と車がどんどん増えていた。
首里城は13~14世紀に創建され、国王の居城であるとともに政治や外交の中枢を担った場所らしい。2019年10月の火災により歴史上5度目の災禍に見舞われ、現在復興中である。完成はなんと2026年。
城の外側は残っていたのだが、中心部は跡形もなく消失しており工事をしていた。
首里城近辺には昔ながらの道が残っており風情を感じることも出来た。
15:30 国際通り
ここで最後まとめて土産を買った。今まで万座毛や道の駅、アメリカンビレッジでちょくちょく買っていたのだが、今回は土産代だけで総額1.5万も使ってしまった。
(よくもまぁ、みんな俺みたいな嫌な奴とつるむよなぁ...)
(これあいつ好きそうだなぁ...)
(どっちにすっかなぁ...)
(一人暮らしでグラス増えてもいるのかなぁ、置きものも場所取るのだるそうだなぁ...)
ああでもない、こうでもないと店を行ったり来たりを繰り返す。
正直他人に期待はしていない。オーバーな表現になってしまうが。
イーブンで5:5の関係ならまだしも、現実的にまぁそうとも言ってられない。
だからこそ俺から連絡を取り、つるむ人というのは一方的に10をあげても損だと思わない相手しかいない。ギブアンドテイクのテイクなんざなくても、ソイツなら別にどうでもいいような。一方的に渡して勝手に何かになってくれれば良いと思っている。
パンパンになったリュックと手提げ袋を両手にぶら下げ車に戻り、那覇空港に向かった。
17:50 那覇空港
車を返し、空港に着く。来るときは気付かなかったが那覇空港はなかなか広い。
ちょうどテーブルが空いていたので座り、夕日を見ながらオリオンビールを開ける。
あぁ、諸行無常。ありがとう沖縄。
「1.5kg……オーバーしてますね...着替えたり整理すれば減ると思うので大丈夫ですよ」
土産を買い過ぎたあまり、機内に持ち込める重量を大幅にオーバーしていた。
しかし、お姉さんが優しい人であり見逃してくれた。ひょっとして、惚れられた?童貞。
19:50にフライト。爆睡
22:10 成田空港
(千葉行くならついでにダチのツラでも拝んでくるかぁ)と数日前千葉に住む友達にアポを取っていた。普通に終電もなかったため、大いに助かった。
家に転がり込み、土産を渡し酒を交わした。
翌日の5時ぐらいまで2人で飲んだ。
おしまい。