2/25 18:00 仙台駅
前日に福島の行けるとこまで。前泊する予定。
明日には日立に着いているだろう。
片道210km。日立に9時集合。こんな無謀な計画は那須以来。
そう、またいつものダチとツーリング旅。
正直関東から来るダチと東北から行く俺とでは、同じ9時集合でも条件が全く異なる。少し不満を抱きながらもノソノソとバイクのエンジンをかける。
選択肢として、
①朝早く起きて(4時過ぎ)ほぼノンストップで走る
②前日に1/3ぐらいまで行き、翌日2/3ぐらいを走る
今回選んだ選択肢は②だった。
凍結や自身のコンディションを考えて、少しでも前日に距離を削りたかったのである。
街を離れると次第に車の数が減っていく。
含みのない真っ白な空気を浴びながらバイクを走らせる。
(まだ行ける.........)
宿も未だ取っていない。限界が来たら適当に取るつもりだった。
「やべぇ、ぼちぼち無理かもな、、、、」
指先が指先でなくなり始めた頃にコンビニ休憩。スマホで近くの宿を探す。
適当と言いつつも、予想通りの場所で。
1/3は削れた。約80km。
3000円の簡易的なビジネスホテルに泊まった。ホテルというより大きなプレハブ小屋のなかに部屋が数部屋あるという感じだった。人工的に寝た。
2/26 6:00 起床
朝が来た。3000円のわりに朝食バイキングが付きプランだったので食堂に向かう。
震災の被災地近くだったので周りは工事関係者がほとんどだった。
ツーーーーーっとノンストップで走り続ける。
だだっ広い畑のなかを朝日を浴びながら走る感覚はまさにバイクならではのものだった。
10:00 日立駅
(いた............)
ブゥーンと音を立て合流。合流したのちに今日の予定を決める。
俺らはいつだって行き当たりばったりなんだ。
カフェに入りグダグダと話し結果は薄々分かっていたこと。
「日立なんもなくね?wwww」
地元民には失礼かもしれないがマジで何もない。海の見える廃れた街っていう感じだ。
でもまぁ海沿いを2人で走るっていうのはさぞかし気分が良かった。
「ここら辺でおすすめの観光地ってありますか?」
たこ焼きを売っていたおっちゃんに聞く。
「ここら辺だとね…◯△□……」
(聞きとれねぇ……..)
結局お礼を言ったあとに2人で答え合わせ。
12:00 御岩神社
ここは日立でも有名なパワースポットらしい。
おっちゃんから辛うじて聞き取れた言葉を並べ、調べてみるとランキング上位に入っていた。
樹齢何年だろうか。何十何百年を超えたらこのような高さの木になるのだろう。
夏には避暑地と言われるであろう場所には多くの高い木々がそびえたち、確かにこれはパワースポットと言われても納得するような気がした。
ありがちにサブ神社、メイン神社と敷地内に散りばめられた神社を巡る。合掌。
一々神にスパチャするのが鬱陶しかった。誰か神社とかお参りに詳しい人は俺に作法を教えてくれ。
13:30 コーヒーハウス ノア
ここはカレーが美味いとネットで書かれていた。店内は昔ながらという言葉がぴったりだった。
健康な人が食べる食事という感じ。完食。
14:30 湯楽の里
ここは海沿いにある温泉施設。
点数で言うと76/100。露天風呂から海が見えるのがめちゃくちゃ良かった。しかし露天風呂がドーンに対して内湯がシーン…としておりサウナは4〜5人ぐらいしか入れない小さなものだった。でもまぁこれで700〜800円なのだからわりといい方だと思う。
よく友達と風呂に行くあるあるなのだが、複数で湯船に浸かると次の湯船に行くタイミングやペースに戸惑う。大抵誰かが言い出したタイミングで次に行くことが多いがサウナや寝湯があると特に時間の使い方に困る。
この時は結局ツレに何も言わず勝手に出てしまった。ツレはサウナからの寝湯で爆睡していたから。
けどまぁしばらく休憩所で待っていたら勝手に何も言わずきたので長年の仲を実感した。
17:00 宿。そして日立駅
宿にチェックインをして駅前を散策。
日立駅のこの景色だけは素晴らしいと思う。
同じように写真を撮っている人が多かった。
閑散している商店街を抜け、さらにまんぼうで閉店している居酒屋を抜け、片隅で営業していた居酒屋に入った。
雰囲気がなかなかよく、乾杯をかました。
ーーーー最近は俺の方が弱い。
というのもありがちにコンビニで酒を買い、宿で飲むことが多いのだが、数本飲んだら先に寝てしまうことがここ数回ある。昔は全部飲んでツレが寝たのを確認して寝ていたのに。
結局10時間寝た俺と6時間寝たツレでは雲泥の差があった。
9:00 起床
「お前寝過ぎwwww」
朝一で不満をぶつけられることに相槌を打ちながら支度。コンビニで買ったときに飲める食えるで買った酒お菓子が不毛でならなかった。
11:00 ひたち海浜公園
特段することがなくとりあえず日立海浜公園へ。
ベンチで昼飯とソフトクリームを食べ、缶コーヒーを飲んで青空を見上げた。
せっかく来たと言うのに行き場所がないと日本で行く場所なんてもうないんじゃないかとさえ思えてくる。そして2人とも茨城には一人旅でそれぞれ来たことがあったので新鮮味に欠けていた。
14:00 おさかなセンター
「飯だけ食べて暗くなる前に帰ろう」
小学生よりも早い帰宅。海鮮を食べてぼちぼちと帰る準備を始めた。
ガソリンスタンドに2人で寄ってから片方は左折。もう片方は右折。それぞれに帰路に向かった。
16:00〜 帰り道
(やべぇ死ぬわこれ………)
冗談じゃなく今日が命日かもしれない。それぐらい風が強く、風向き方向に身体を傾けてなんとかバランスが取れる。
正面から来る風ならまだしも、横から来る風には弱く一瞬でハンドルが取られる。
高速に乗るも体感30分でダウン。それでも頑張ったつもりだった。
(あぁ…クッソ!!)
帰れるかどうか。そんな話。
残りは200km強。生きて帰れるだろうか。ガチでギリギリ。
他人にマウントを取るのであればこういう過酷な状況を生き抜いてきたことだと思う。
信号の待ち時間に何度も風に煽られる。
コンビニ休憩。店内のあたたかさと無風のストレスフリーな環境に負けそうになる。
19:30~
知っている道に出たときの安堵感ってなんなんだろうな。
何とかやり切った。また人生を豊かにしてしまった気がする。
家に着くなりふらふらの身体にシャワーを当てる。今日も生きた。酒を流し込んだ。