2022/02/10-13 北海道3泊4日一人旅 前半

2021/12

(なんか今日の夜しけてんなぁ…)

 

仕事が不完全燃焼。仕事が着火剤な訳ではないが誰にだって「今日の夜元気だな」と思うときはあるはずだ。

 

(北海道とか新幹線で何円くらいなんだ…?)

ふと帰り道に調べる。

 

(1.8万か…しぶいな………)

(んじゃ、岩手は…?うわ!6千円やん!!)

 

なんか色々調べていくうちにめんどくさくなってしまった。そしてさすがに勢いでポンと4万を出せるほど成金ではなかった。

 

 

2022/2  とある日

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3連休が取れた。これは熱い。

性的な話で盛り上がる男女グループとカタコトの外国人グループに挟まれながら1人飲み。

 

店を出た頃には飛行機と新幹線が予約されていた。全てが勢いなんだ。

 

 

2/10 19:00 仙台駅

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この時ばかりは世界が俺の為に回ってるんじゃないかと心底思ってしまった。3連休の前の夜、仕事終わりに新幹線に乗り、遥か遠くに行く解放感。そして手ぶら。両手が常に空いているので背筋も気持ちものびのびする。

 

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新幹線のコンセントで携帯を充電して、爆睡をかました。

 

 

今回のルートはこれ。

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新幹線で新函館北斗駅に向かい、そこから札幌まで行って周辺を散策。新千歳空港から飛行機で帰ってくるプラン。

 

「えぇ、青森から北海道まで新幹線通ってるの!?」そう思ったあなた。通ってます。

その名も青函トンネル

しかもこれが開通したのは00年代とかそんな最近ではなく、80年代とか90年代だったような気がする。

 

海底を通るトンネルとして世界から評価を受けているらしい。確かTOP3ぐらいには。

まぁ爆睡してたから知らないうちに通過してたんだけども。

 

 

23:30  新函館北斗駅

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(着いた、、、、、)

来てしまった。意味もなく北海道に。

 

ウィーンとドアが開き、外に出て北海道の空気を吸う。

言うて普通。自分の無鉄砲さと無計画さに相槌を打ちながら駅近くにあった東横インへ。

 

東横インは新幹線のなかで予約をしておいた。後々記述するが、田舎と呼ばれるものは存在する。それなりにモノで溢れているところで過ごしてきたため、自称田舎で育った人が口をそろえて言う「マージで何もないよ、田んぼとコンビニぐらい」みたいな話はウケ狙いだと冷笑していた。しかしホントにある。

現にここは駅前にコンビニもなくホテルが2つと真っ暗になったレンタカー屋しかなかった。

 

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奇跡的にホテルにあったカップラーメンの自販機でカップラーメンと酒を買い部屋へ。

 

ノープランでも生きてはいける。しかし、あまりにも何もなさすぎる。

今回の旅はモバイルバッテリーを持ち合わせていないので、スマホの電源が切れたらアウト。どこかに駆け込むしかない。

 

スノボやスキーをしたことがある人なら分かると思うけど、寒いところで携帯を使うと充電の消費早くなりません?

 

かなりのハードモードだった。

 

2/11 8:00 起床

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快晴に雪景色。きれいだった。電車に乗り函館に向かう。20分ほど乗った矢先で五稜郭駅に降りる。

 

 

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五稜郭駅と言われながらも五稜郭へは徒歩2.5kmほど。最初からハードモードだった。

雪で何度も滑りそうになる。上手く進まずに時間だけが何倍も膨らんでいくことに後悔を感じていた。

 

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着いた矢先。俺は死んだ。

まんぼうによって展望台に上がることが許されてなかった。

 

あぁ無常。こんなことがあってたまるかと世間を呪った。しかしせっかく来たので雰囲気だけでもと、グルっと星を一周する。

 

30~40分はかかったと思う。五稜郭は星の枠?と中心の場内の間には堀があり特定の箇所で渡れるようになっている。

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しかしまぁ上から見る感動を除けば単に星のかたちをした昔の構造物だ。

 

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そして何で星のかたちをしているのかはよく分からなかった。

 

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一通りグルっとしたあとは知る人ぞ知るラッキーピエロへ。ここは値段の割に量が多くて大満足だった。後々聞くと修学旅行生が良くいくような場所らしい。

 

 

11:30 函館

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「夜までどうしよう」「充電どこで取ろう」

拭えない悩み達。

例えばあなたが夜まで家に帰ることができず、外でずっと過ごさなくてはならないとき何をするか考えてみてほしい。カフェに入ってもせいぜい1~2時間ほど、カラオケにでも行くのか買い物でもするのか。充電がどんどん減っていくこと、そしてカラオケも買い物をするような場所がここ函館には特にないこと。そしてまんぼうでお店も早く閉まり、やっていないこと。

 

この条件下であなたはどう過ごすであろう。

 

まずは函館近くの朝一へ。ここでは近隣の海で獲れた魚たちが並び、新鮮な海産物を購入したり食べたりすることができる。

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ピーク時には人で溢れるようなところらしいが、今はコロナで人がまるっきりいなかった。そして店の前を通る度ひっきりなしに声をかけられる。

 

適当な場所に入り、焼き物とビールで優勝した。

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そして次は近くの函館ビールというお店ではしご。酒をたらふく飲んだ。

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充電が30%くらいだったので、店のタブレットの充電器で盗電してやろうと店員の目を盗んだがやっぱ止めておいた。一応大学卒なので。

 

 

酒に酔っぱらいながら、充電を求めにコメダ珈琲へ。

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酒にコーヒーというちゃんぽんをかましながらも充電のためにしばらく滞在した。

 

 

14:30

夕暮れは17:00過ぎらしい。夜景が見れるまでまだ3時間ほどある。

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コメダ珈琲でググったなかに、岬があるらしかったのでひたすら歩く。雪道をただ単に。

音楽を聴くとまた充電を食うので音楽とマップは最低限。

 

(俺は何をしているんだろう、、、)

ふと我にかえる。たまーに自分のことを惨めに思うときがある。でもこの惨めさが自分を助けているのも事実だった。

 

「いつも楽しそう」「なんでそんなヘラヘラしてるの」だとか周りに言われることが多々あるが、根源は自身の惨めさと底辺さに向き合ってきた結果だと思う。

 

俺にはよーいドンで他人と同じことをしてもビリを取る自信がある。そしてそんな自分を全肯定している。他人に心許ない言葉をかけてしまう人は、心に余裕がないのといつかの自分の苦しみを忘れているのかもしれない。

 

 

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岬は夕暮れが近づいてきてきれいだった。黄昏ようと思ったのだが後ろから団体客が来たので、写真と適当な時間だけを過ごしてあとにした。

 

そのあとは近くの温泉に入り、公園で火照った体を覚ましていると徐々に暗くなっていった。

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17:30 函館山

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函館の夜景を見るには函館山のてっぺんに登る必要があって、そこまでの移動手段はロープウェイ。

 

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正直舐めていた。

「函館ぇぇ!?夜景だろぉ?www」みたいなモチベで行ったのだがガチできれいだった。

日本の各地をそれなりに回っているが、もちろん空振りの観光地というものは存在する。函館の夜景はぜひ行ってみてほしい。

 

 

19:00

さっきまで明るかった街は違う姿で明るくなっていた。夜景を見て今度は街のライトアップ。

 

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幻想的な景色の裏腹に潜むのは「今日この後どうしよ、、、」だった。

というのも昨日宿に泊まった自分が勢いで、函館ー札幌間の夜行バスを勝手に予約していたものだから、23:30までは時間を潰さなくてはならない。

 

苦し紛れにマックにin。

「すいません、あと15分で閉店なんです」充電を見つけほっと席に着く自分に注意喚起される。まんぼう、、、、。

 

ーーーーー街に取り残される。時刻は20時。

あと3時間半ある。充電も店もない。

 

無力に打ちひしがれながら夜空を見上げ呟く。

「ラブホで休憩しよ、、、、」

休憩3時間3000円。激安かつ充電も得られ、あったかい。行くしかなかった。

 

よくあるタッチパネル式ではなく、適当に部屋に入ると電話が鳴る。

どうやら玄関にお金を置いてほしいとのこと。不思議に思いながら玄関にお金を置くと、管理人がマスターキーでドアを開け、お金を持って行くのが見えた。

 

そして、ふと落ち着くと不意にテンションが上がり、謎の勢いでデリヘルを呼ぶ。旅の食費が消えた瞬間だった。

 

ーーーーー体温が冷めた布団を背にして、二人して見たMステを忘れはしないだろう。

そして皮肉にも「みんなが選んだラブソングTop10」が流れていた。

 

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駅前はしんしんと。缶コーヒーが研ぎ澄まされた空気に溶け込み、夜行バスは少し大人になった俺を乗せて札幌に走り出した。