2021 07/22-23 東北巡り

1日目 9:00 起床

「あれ、俺今日東北回るんだっけ...?だるいなぁ...

他人事と使命感の狭間を彷徨いながら支度。

 

 

荷物はるるぶTシャツと撮影道具。外に出る。

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「やべ、充電器とコンタクト忘れた」

速攻忘れ物に気付くも振り返らない。もう旅は始まっているのだから。

 

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駐車場で改めて予定を決める。ある程度コースは抑えていたのだが、俺の気分は夕立のように移り変わりやすい。ハンターハンターなら絶対変化系だと思っている。

 

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今回のコースはこれ。

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岩手秋田山形。結局当初の予定通りまわることが出来た。

 

 

13:00 伊豆沼

行く予定はなかったのだが大通りを走っていると、でかでかと看板が出てきたので急遽寄ることにした。

 

大体こういう場所の車事情と言えば、路上に放置したりですれ違う道路をふさいでいることが多いのだがバイクは圧倒的に楽。ちょいと止めて見に行くことが出来る。

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広々とした沼に蓮の花が広がっていた。ぶっちゃけ去年いもり池という新潟で見た景色に似ていたので「あーね」という気分だった。5分くらいでバイクに戻った。

2020 09/23-24 新潟一人旅 - 気ままな旅行記

 

 

14:10 厳美渓

「岩手入ったよぉぉぉぉ!!おめでとぉぉぉんん!!」みたいにカーナビに言われたかった。

前回の福島旅もそうだったのだが、気付くと他県にしれっと入っていることが多く、イマイチ県境を越えた感動が感じられない。

 

駐車場を探し、なかに入ろうとすると入口のおっちゃんに言われる。

「えっとバイクね、1300円だけど向こうの道路超えた先に無料の駐車場あるよ。ガラスパークってとこ。どうする?行くならここで旋回してもいいよ、誘導するから」

 

「いや、いい人過ぎわろたwww

なんでそこまで優しく教えてくれたのか謎だった。

 

7~8割は埋まっていた駐車場を旋回し、ガラスパークにバイクを止める。ここは第三、四駐車場まで敷地があったのだが、肝心の店の敷地より駐車場の方が圧倒的に広くなんとなく地方情勢を悟った。

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厳美渓は渓と言いつつも、マップで見ると普通に川のようであり両サイドは道路。ありのままの自然が広がっていた。

 

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川の浸食により岩が削られ、ゴツゴツとした岩の間を緑に透き通った川が流れていた。

BGMにはひぐらしの鳴き声。ここが山奥かなんかでひっそりしていたら良かったのだが、普通に道路を走ったところにあるため人でわんさか溢れていた。

 

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売店に寄る。一関市とpaypayのコラボ?により20%戻ってくるらしい。

 

祖父母と実家に土産を買って郵送しておいた。基本他人に対して無関心なのだが、好きな人たちはとことん好きだし大事にしてしまう。っても身内だからもうその辺はなぁなぁで。

 

駐車場に戻り、宿を探す。明日は秋田に行くためその辺で宿を探したのだが、そもそも数が少ないうえに高い。単なる宿で5000円は出したくない。

 

探しているうちに段々とめんどくさくなってきて帰ろうか迷うも、結局3800円のゲストハウスに泊まることにした。秋田に向かう。

 

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山道にあったちょっとした休憩所にバイクを止める。軽自動車で来てた同業者のおじいちゃん連中3人組に話しかけられる。

「どこから来たの?」「仙台です」

この後が軽い地獄。訛りとぼそぼそ声でイマイチ相手の声が聞こえなかった。

 

おじいちゃん達を見送り、バイクに跨る。

ちょうど秋田と岩手の県境だったため、お互いの帰るべき場所が他県同士でなんとなくしんみりする。おじいちゃん達がいなくなったあとの休憩所は少し広く感じた。

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山をひたすらに走る。誰もいないのをいいことに初めての100km超え。この世界は死と隣り合わせ。100kmを超えたあたりから逆風の雰囲気が変わる気がする。まぁ気のせいなんだろうけど。

 

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周りは田んぼ道。たまにある民家を走り抜け宿に着く。

 

 

 

18:00   宿

「以上で説明は終わりになりますが、ご質問はありますか?」

ゲストハウスは当たり前だけど部屋も相部屋だし、共有スペースと呼ばれるリビングも共同。水回り系も全部。知ってるふうだけどゲストハウスは北海道一人旅のときが初めてだった。

  

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シャワーを済ませ、外に出る。散歩。ってもマジで何もなかった。

 

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1~2時間に1本しか走ってなさそうな雰囲気の駅舎や乱雑に並んだ民家と幹線道路に立ち並ぶ路面店。ここぞとばかりに鳴くひぐらしの鳴き声を聞きながら、あの日から時が止まっているような夕暮れを歩いた。

 

適当な居酒屋に入り、優勝。少し高くついてしまったけど。帰りはコンビニで缶ビールを買って、飲みながら歩いた。

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「自分らしさとは?」

もしアイデンティティを問われたとしたら、即答で「缶ビールを飲みながら歩く、帰り道です」と答えると思う。

 

PK shampoo神崎川を聴きながら、着かないことを密かに思いながらわずか1kmぐらいの帰り道をただただ歩いた。

 

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ちなみにゲストハウスでもBarはやっていたのだが、予め周りと話す前提で設けられている空間に行くのは気が引けたので行かなかった。「一人」は大丈夫だが、「独り」は苦手だ。Super beaverも言ってたけど。

 

 

2日目 5:30 起床

昨日は結局21時過ぎには寝てしまった。一人旅は宿ではすることがないため、ただ寝る場所になる。

 

早朝にエンジンをかけ、犬を散歩していたおばあちゃんを横目に街を抜け出した。

 

 

8:00 休憩

コンビニで一度休憩。段々と暑くなる太陽と増える車通りに対して感じるめんどくささを缶コーヒーで強引に流し込んだ。

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9:00   獅子々原湿原

同業者がぱらぱらといた。駐車場から湿原までは山道を30~40分ほど歩くらしい。

大体看板に書いてある時間より自分は10~15分は巻けるといつも勝手に思っている。

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自然とワクワクしてしまうので階段は常に1段飛ばし。早歩き。

大体前に団体がいると、歩幅を合わせるか「すいません」と追い抜いてしまう。

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それっぽいところに着いた。というのも湿原の範囲が広いためどこが正解の場所なのかイマイチ分からなかった。分岐点も多かったし。

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マイナスイオンやべぇ」

ここだけ圧倒的に気温が低くひんやりしていた。水の勢いがすさまじくラフティングってこんな感じなのかなと思う。水の躍動感。

 

 

10:30   奈曽の白滝

太陽が暑くうざったい。しかも見るために長々と階段を降りなければならなかった。

 

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今日一番のひたつく汗にTシャツをパタパタさせながら辿り着く。

 

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一言で言うと「神々しい」。

「よくここまで、辿り着きましたね。ゆっくり休んでいきなさい」とバブみ溢れる女神が出てきそうな雰囲気だった。

 

ラムネでも飲みながらズボンを捲り、足を浸してボケっと黄昏てみたかった。

 

 

11:00 鳥海山

滝を見終え、山をバイクで登っているときそれは起きた。

 

「あっ、雨降ってきた...........いやいやいやこれはヤバい!!!

豪雨。山の天気は変わりやすいとはよく言ったもんだ。

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一瞬にしてずぶ濡れになり、荷台の荷物も全部死んだ。このままじゃヤバいとバイクを走らせると休憩所。急いでバイクを止め、軒下に駆け込む。

 

「ヤバ谷園の麻婆春雨ww………こんにちは。雨宿りしてもいいですか?」

謎の老人がすでに軒下にいて、少し素を見られてしまった。タバコをふかしてラジオを流し、手にはクリップボード

少し話をするとどうやら山を登る車と下る車を数える役所の人らしい。

 

これがもし気になっている女の子とかだったらドキドキするんだが、なんせ老人。

「雨止んできたので、行きますね!ありがとうございました!!」気まずさからまだ少し雨は降っていたがそそくさと出発した。

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山頂に着くも霧。何も見えない。レストランも服がずぶ濡れのため入れない。少し詰んだ。

結局カレーパンときりたんぽをテイクアウトして濡れているベンチに腰掛ける。

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「なんとも言えねぇ味」

人工と手作りが綱引きをして拮抗しているみたいな味だった。

 

 

13:15 土田牧場

下界に降りると普通に晴れていた。

バイクをいつもより飛ばし、風で体とバイクを乾かす。

 

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牧場に着いた頃には自然と7~8割は乾いていた。

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「牛多すぎなwwコピペか!!」

みんなが集まって尻尾をわさわささせていた。その動きが均一過ぎて人工的なものを少し感じてしまう。売店や食堂は人が多く、止めておいた。

 

 

14:15 道の駅 象潟ねむの丘

人がわんさかしていたのと疲労と暑さで、少しだるさを感じていた。

結局何も買うことなく海を見て速攻次の所へ。

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15:00 三崎公園

「よく頑張ったわ俺......

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長い階段を上り終え、東屋で休憩。黄昏る。

 

帰りは山形を通って帰る。その距離150km強。

昔から自分に対して、自分がわざわざ作り出した苦難を何度も乗り越えてきた気がする。

今日の幸せは昨日の幸せの10兆倍を毎日繰り返している自己肯定感の高さは、こういう無謀なことを繰り返してきたことが起因していると思う。10人中1人が引いてしまうようなババを憐れむほど引いてきた。

 

そんなことを思いながら秋田に別れを告げた。

 

 

15:50 丸池様

山形に入り、大通りからちょいと外れ森へ。

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「あぁ、神秘」

青い水と差し込む日差しが幻想的だった。

 

 

16:00   宮城までの道のり

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「色々な景色があるなぁ」

宮城から岩手、秋田、山形そしてまた宮城へ。12日で強引に回ることが出来た。

 

見知らぬ土地には多くの見知らぬ人がいて、その人たちにも家族がいて、その土地で仕事をして生活している。「視野を広げる」という胡散臭い言葉があるが、そんな改まらなくても行きたいところに勝手に行けばいいと思う。自分の人生なんだから自分に遠慮することなく自由に生きていたい。

 

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今が自分の人生のピークというほど日々が楽しいので、人気絶頂でいきなり終わる漫画やアニメ、解散するバンドが語り継がれるように、ふっと消えるのも悪くないなとこういう誰もいない自然風景を見ると感じる。

 

 

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所々で休憩を挟みつつ、ケツの痛みと車への妬みを混在させながらバイクでただただ走った。結局21時前に着き、泥のように眠った。

 

 

BGM神聖かまってちゃんのそよぐ風のなかで

 

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「僕はそよぐ風のなかで 存在が消えてゆくようさ 泣きそうだと素直に 言えたらよかったんだろう」

 

 

おしまい。

 

 

映像でもどうぞ。最近はひたすらに旅行記と動画編集。そもそも頻度が多いんだよな。

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